2019年 11月 05日
【Chhichhore】 |

2019年9月6日公開
トレイラー
ストーリー
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アニルド(スシャーント・シン・ラージプート)の息子ラーガヴは工科大学への入学試験の結果待ちでナーヴァスになっていた。ラーガヴはアニルドが学生時代に知り合って結婚し、今は別れた妻マーヤー(シュラッダー・カプール)との子だ。だが、結果は不合格。ラーガヴは友人のマンションのベランダから衝動的に身を投げる。一命は取り留めたものの意識不明の重態だった。医師によると本人が生きる気力を失っているようだと話す。そこでアニルドは意識のない息子に自分の学生時代の話を語り始める。すると息子はかすかな反応を示す。
希望を見出したアニルドの呼びかけで当時の友人たちが病院に集まり、大学時代のそれぞれの想い出を語り出す。
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学生時代の友人たちが長い年月を経たあとで再会し、当時の思い出を語り合う青春映画です。出演はデビューの【Kai Po Che】(2013)など青春映画が似合うスシャーント・シン・ラージプート。主人公の恋人で後には妻となるヒロイン役にシュラッダー・カプール。監督は【Dangal】(2016)(『ダンガル きっと、つよくなる』)のニテーシュ・ティワーリー。
インドはイギリスの学校制度を受け継いでいるためなのか、全寮制やそれに近い制度の大学が数多くあります(もちろん通学制の大学もあります)。そして寮での暮らしを含む大学生活を描いた傑作に【3 Idiots】(2009)(『きっと、うまくいく』)があります。【Chhichore】は、テーマの社会性においてはさすがに【3 Idiots】にかないませんが(それはかなり困難)、ことインドの大学生活をノスタルジックに描くことにおいては負けずとも劣らない作品です。
【Chhichore】が面白いのは、回想として大学生活を語らせるため、それぞれのキャラクターに学生時代と後の時代の両方をやらせたことです。特に老け役のメーキャップは見どころで、さらに挿入歌「Fikar Not」はそれぞれの老若のキャラが一緒に踊るという非常に凝った曲になっています。
試験に落ちた息子を励ますために大学時代の回想をするという設定で、大学時代に主人公は学内の「負け犬 loser」グループに属していたというところから始まります。スシャーント・シン・ラージプート演じる主人公は大学時代もスポーツ万能で、さして負け犬という感じではありませんが、その他のキャラクターはエロ本コレクター、酒飲み、母離れできない息子などダメ人間が揃っています。そんな「負け犬」たちがエリートに立ち向かうという痛快なストーリーです。
もっとも、エリートたちの勝負の場はインド映画ではありがちな学内スポーツ大会というのはちょっといただけません。この前も【Student of the Year 2】(2019)で見たばかりです。確かにスポーツならば勝敗がはっきりしていて描きやすいのかもしれませんが、ほかになにかなかったのかという気がしてしまいます。
しかし、その点をのぞけば大変によくできたドラマです。全員「老け役」キャラを登場させることで現在と過去のストーリーがしっかりとつながり、長々と回想することの不自然さも感じません。
インドの大学で学生生活を送った人には非常に懐かしく感じるところがあるのかもしれません。しかしそうでなくても、古き良き学生時代を振り返ってみたくなるようにさせる秀作です。
音楽
音楽はプリータム。なかなか良い曲が揃っています。「Fikar Not」のダンス・シーンはユニークなうえ豪華で圧巻。
「Khairiyat」
「Control」
あることから自分の一番好きなことを我慢することになって・・・という曲。
老若のキャラが一緒に踊るという曲。特殊撮影の不自然さはまったくありません。
スシャーント・シン・ラージプート アニルド役
芸能メディアなどではよくスシャーントの演技力が話題になります。演技が下手なのではないかと。確かに本作でも泣く演技など細かいところを見ると下手かと思うところもありますが、作品を通じて1つの役を演じきる点では今の俳優ではトップクラスにあることがわかります。
シュラッダー・カプール マーヤー役
今年は【Saaho】の出演もあり、活躍が目立っています。本作ではキャンパスの華の女子学生役はまさにハマり役。かわいい。さすがに老け役のほうは多少手加減が加えられて(つまり若め)いますが、それは仕方ないでしょう。
ターヒル・ラージ・バシーン デレク役
「負け犬」チームのリーダー格。留年を何回しているのか、まわりの学生たちより大人びており、すごい男臭い役です。そのかわり老け役ではかなりハゲが進んで・・・。【Mardani】(2014)の悪役で注目されましたが、知名度はいまのところまだまだ。しかし、十分にこれから出てくる可能性はありそうです。
最近のコメディでは常連のヴァルン・シャルマーがエロ本コレクターの「セクサ」役。プラティーク・バッバルがエリート・チームのリーダー役。
【Chhichhore】
友情ものが好きな人、インドの(だぶんちょっと昔の)大学生活を覗いてみたい人、老けメイク技術を見たい人、おすすめです。



by madanaibolly
| 2019-11-05 01:18
| レビュー




