2019年 10月 08日
【War】 |

監督:シッダールト・アーナンド Siddharth Anand
出演:リティク・ローシャン、タイガー・シュロフ、ヴァーニー・カプール、アーストーシュ・ラーナー、アヌプリヤー・ゴーエンカ2019年10月2日公開
トレイラー
ストーリー
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「カビールが裏切った」。インドの対外諜報を担う調査・分析部(RAW)に衝撃が走った。国際的なイスラム教過激派テロリストを追っていたRAW一の腕利きスパイ、カビール(リティク・ローシャン)がこともあろうに味方の高官を射殺して逃亡したのだ。RAWはカビールを殺害することを決定し、優秀な若手スパイのカリード(タイガー・シュロフ)がその重要任務に名乗りを挙げるが、2人の上司ルトラ大佐(アストーシュ・ラーナー)は心配する。カリードにとってカビールは憧れの存在であったばかりでなく、チームの指揮官と部下として数々の作戦に従事した師であったからだ。
カリードはスパイとして任務を遂行すると堅く決意しながらもなお、「なぜ?」という気持ちを拭い去れないままカビールの行方を追う。カビールとカリード、2人の凄腕スパイの死力を尽くしての戦い(War)が始まった。
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トップスターのリティク・ローシャンと若手トップクラスのタイガー・シュロフが夢の共演。アクション満載のスパイ・スリラーです。監督のシッダールト・アーナンドは前作はリティク主演でハリウッド映画『ナイト&デイ』のリメイク【Bang Bang!】(2010)ですが、さらに以前には【Hum Tum】(2004)、【Salaam Namaste】(2005)、【Bachna Ae Haseeno】(2008)などを撮っています。ヒロインには【Befikre】(2016)のヴァーニー・カプール。
本作が公開前からかなり話題になったのはひとえにそのキャスティングのためでしょう。スーパースターのリティク・ローシャンと若手ながらそのアクションとダンス能力で将来のスーパースター候補のタイガー・シュロフという二大スターの共演というだけではありません。タイガー・シュロフはこれまでずっとリティクが憧れの存在であることを公言してはばからないという特別な関係の2人だったからです。さらにトレイラーが公開されるとどうやらその2人が敵同士で作中ではガチ・バトル、そしてこれがタイトル【War】の意味だったのかとわかると、多くの人が「これは観なければ」となったに違いありません。
そして蓋を開けてみると、決してトレイラー負けしていないアクションの連続、特に2人の対決は駆けっこから二輪、四輪でのカーチェイス、そして肉体を駆使した殴り合いまでよりどりみどり。さらに作品の設定では、タイガー演じるカリードは先輩のスパイであるリティク演じるカビールに憧れて師と仰いでおり、なんだかリアルそのままの関係が描かれます。
ストーリーはさほど目新しさはありません。不明の理由から組織を裏切る腕利きのスパイという設定では最近の007シリーズなどではおなじみです。結末はこの作品でこのキャストでなかったら文句が出たかもしれないくらいの強引さで、決して褒められたものではありません。しかし、この作品のみどころは決して緻密なストーリーなどではないのです。
リティクはベテランの腕利きスパイとして完璧な演技。掛け値なしにカッコいいです。タイガーはリティクに憧れる青年の役と鬼になってそれと対決する両方をやらなければならない難しい役でしたが、十分に合格でしょう。ヒロインのヴァーニー・カプールはこれまでの作品で見られた硬さのようなものが取れたいい役、いい演技でしたが、役としては思った以上に小さかったのが残念でした。
ファンの願望を読み切り、それを満足させることをひたすら目指して成功した作品です。その意味で、【War】での最大の勝利者はプロデューサーのアーディティヤー・チョープラーとYRFの企画チームなのかもしれません。
音楽
公開前に発表されたのは2曲。このほか主要キャラそれぞれにインストゥルメンタルのテーマ曲があるようですが、基本はこの2曲のみのようです。
「Ghungroo」
映像は【Bang Bang】(2014)「Meherbaan」のような欧州リゾート。曲調はよりダンサブル。どちらの曲も女声のシルパー・ラーオで共通しています。
「Jai Jai Shivshankar」
ファン狂喜のリティク、タイガー共演のダンス曲。
リティク・ローシャン カビール役
前作【Super 30】(2019)の田舎教師役ですでに役者としての優秀さを証明していたためか、本作ではカッコいいスターとして【Dhoom 2】(2006)、【Bang Bang!】(2014)の系譜に連なる「カッコいい」役を思う存分にできたのではないでしょうか。
タイガー・シュロフ カリード役
タイガーとしてはリティクと共演できただけで夢がかなったことになりますが、本作でのパフォーマンスはそれを超えていました。特に肉体を使ったアクション・シーンでは(年齢差もあるかもしれませんが)、リティク以上に活躍していました。次作はシリーズになったアクションの【Baaghi 3】。その後、シリアス路線にも向かうのかには注目です。
ヴァーニー・カプール ナイナ役
YRF(ヤシュ・ラージ・フィルムズ)の看板女優候補として【Shudh Desi Romance】(2013)、【Befikre】(2016)に出演もあまり目立てず、正直今後が心配でした。本作はもちろんリティクとタイガーの作品なので出番が少なくなってしまったのは仕方ないですが、最大瞬間風速的にはカトリーナ・カイフ並みのダンス・シーンもやってみせ、なんとか今後につながる役でした。次はランビール・カプールとの【Shamshera】です。
このほか、RAWのトップでカビールとカリードのボス役にアーストーシュ・ラーナー。RAWでカビールのチームの一員でもあるアディティ役に【Padmaavat】(2018)でラタン・シンの第一夫人ナグマティーを演じたアヌプリヤー・ゴーエンカ。
【War】
リティクとタイガーのリアルでの「特別な関係」を知っている人、看板に偽りなしの満載アクションを楽しみたい人、ボリウッド近年最高の「戦争(War)」の真相と結末を知りたい人、おすすめです。



by madanaibolly
| 2019-10-08 11:26
| レビュー




