2010年 12月 28日
【Toonpur Ka Superrhero】 |

アニメと実写の合体という作品。いちおう子供向けかと思いますが、出演(実写部分)がアジャイ・デーヴガン、カージョル夫妻となると、もの珍しさと合わせ、観てみたくなります。やはり観客はほとんどが親子連れ。普段は子供うるさいなど思いながら観ていますが、今回はこちらが余所者なので、おとなしくしてました。
監督:キリート・クラーナー Kireet Khurana 出演:アジャイ・デーヴガン、カージョル、タヌージャー(特別出演)、サンジャイ・ミシュラ、ムケーシュ・ティワーリー、デルナーズ・パウル
トレイラー
ストーリー
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アディティヤー・クマール(アジャイ・デーヴガン)は「ヒーロー」として活躍する俳優。世間での人気とは裏腹に、息子のカビールや娘のライマには信頼がない。今日も撮影が延びたため、子供たちの運動会に間に合わなかった。カビールには「お父さんなんて、嘘っぱちのヒーローじゃないか!アクションだって別の人がやるんだし!」となじられる。妻のプリヤ(カージョル)には仕方ないと慰められるものの、なんとか子供たちの信頼を取り戻したいアディティヤー。
そのころ、子供たちに人気アニメの「トゥーンプル」の世界では善玉デーヴトゥーンと悪玉トゥーナスルが戦っていた。劣勢に立たされた善玉たちは、形勢逆転のため人間世界の「ヒーロー」アディティヤーを連れてくることにする。結局、誘拐されて連れてこられたアディティヤーは最初は戸惑うが、子供たちにとって真のヒーローになるため、善玉たちを助けるために立ち上がる!
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基本的に子供向けで、ストーリーも単純。大人が大人向けとして観るわけにはいきませんが、頑張って作ったことは分かりますし、長さも子供が飽きないようにか2時間弱。割り切って観ればそこそこ楽しめます。不必要に子供が出てくる大人向けの映画よりは、ずっと面白いと思います。
インドではまだアニメは子供向けのもの。ハリウッドのように大人の鑑賞も考えたアニメ映画はまだありません。子供向け映画のマーケットはまだ小さく、アニメの大ヒット作を生み出す基盤はまだ出来ていないと言えるでしょう。そうした中、【Toonpur Ka Superrhero】はアニメと実写の合成、そしてアジャイ・デーヴガンとカージョルというボリウッドのビッグネームの起用という大技に出ました。これまでも【Roadside Romeo】(2008)のようにボリウッドスターの声の出演はありましたが、部分とはいえ実写での出演となると、プローモーションその他での勢いが違います。【Toonpur Ka Superrhero】はヒットにはなりそうもないものの、メディアでは同日公開の【Tees Maar Khan】と並んで通常の公開作品として扱われていました。
アニメの技術的なことはわかりませんが、アニメと実写の合成は観ていてさほど違和感がないほどスムーズでした。アニメの登場人物と自然に話ができてしまうアジャイが器用なことも一因でしょう。キャラクターについてはサリー姿の太ったオバチャンやインド警察の制服姿のオジチャンなど、インドっぽいものもいるので、ちょっと外国人の視点で見たほうが楽しめるかもしれません。
テレビゲーム仕立てのクライマックスといい、パソコンでチャットする子役。インドの子供を取り巻く環境もだいぶ変わってきているようです。
アジャイ・デーヴガン 子供たちの信頼を取り戻したいアディティヤー役

2010年はコメディからギャングものまで、様々な役で登場したアジャイですが、まさかアニメの世界で活躍するとは予想しませんでした。父親役が似合うのは当然として、アニメのキャラクターに囲まれても違和感がありませんでした。
カージョル アディティヤーの妻プリヤ役

アジャイに比べるとアニメの世界にいる時間は短いです。すっかり母親役が板につくようになりました。もちろん、アジャイとの息はピッタリです。
ラヴィーナ Loveena

ミス・トゥーンプルだそうです。アディティヤーにベタベタしてきます。ときどき知り合い(日本人ですが)に似ているなあと思いながら見ていました(キャラじゃなくて顔が)。
ビーグベン Beegben

インドのオバチャン・キャラ。チャパーティーをこねる麺棒を持っていて、これが武器にもなるという、いかにも子供が好きそうな設定(私も好きですが)。名前はBig Benとグジャラーティーの女性名に多い「-ben」をかけています。
ガッピー Guppy

今回の問題キャラ。作中ではなく、リアルでの話。作曲家のバッピー・ラフリー Bappi Lahiriが肖像権の侵害を訴えるという騒動が持ち上がりました。いや、確かにそうなんですが、ここまでのキャラなら事前に話は行っているだろうと思うので、後から何か話がこじれたのでしょう。大人の事情が垣間見えて嫌な感じです。
バッピー・ラフリー

【Toonpur Ka Superrhero】
子供向け映画でも楽しめる人、アジャイ・デーヴガンまたはカージョルのファンの人、インド・アニメ事情を知りたい人、お勧めです。



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by madanaibolly
| 2010-12-28 05:37
| レビュー
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