2008年 09月 10日
【Tahaan】 |
監督:サントーシュ・シヴァン Santosh Sivan.出演:プラヴ・バンダーレ Purav Bhandare、ラフール・ボース、アヌパム・ケール、サリカ、ラフール・カンナ(ゲスト出演)。
ストーリー
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タハーン(プラヴ・バンダーレ)はカシミールの山奥の村に祖父、母、姉と暮らす少年。タハーンの父は数年前から行方不明で、母(サリカ)はその行方を探し続けている。ある日、祖父が亡くなって家財を処分することになり、タハーンが大切に育てていたロバも売られていく。他の村に住む老人(アヌパム・ケール)がロバを買ったことがわかり、タハーンはロバを取り戻すべく、村から村へと荷物を運ぶその老人について回る。いっぽうテロリストの一味がタハーンに目をつけ、ロバを取り戻せるというその約束を信じたタハーンは、知らずに爆薬や手榴弾の運び役になっていく。
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【Tashan】のパロディではありません。【Tahaan】はカシミールの山奥に住む8歳の少年タハーンとそのロバ、そんな純粋な少年をも巻き込んでいくテロ。美しく、そして切ない物語。
一見腹黒そうに見えるが、実は心優しい老人役をアヌパム・ケール、その手伝いで子供のような心を失っていない青年役(タハーンと本気で競走したり)をラフール・ボースがとてもいい味わいをだして演じてます。夫をさがしつづける母役のサリカ(カマル・ハサンの元奥様です)もとても素敵です。
前半はイラン映画の雰囲気。カシミールの美しい自然に少年とロバ。後半は一転して緊迫した展開になっていきます。美しい自然とテロという相反する存在が同居するカシミールが描きだされています。いい映画でした。
どちらかといえば、映画祭などでやる映画で、少し前のインドならば、公開すらされなかったかもしれません。最近のシネコン・ブームで都市のインテリ層向けのこうした作品が商業ベースに乗るようになってきました。古い映画館を潰してしまうなど問題も多いシネコンですが、このような映画が観られるようになったという良い点もあるのですね。
少年とロバ
行方不明の夫をさがす母(サリカ)
アヌパム・ケールとラフール・ボース
by madanaibolly
| 2008-09-10 13:28
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