2010年 01月 11日
【Pyaar Impossible】 |
2010年のインド映画鑑賞初めです。
制作:ウダイ・チョープラ、監督:ジュガル・ハンスラージ Jugal Hansraj. 出演:ウダイ・チョープラ、プリヤンカ・チョープラ。特別出演でディノ・モレア、アヌパム・ケール。監督のジュガル・ハンスラージは【Mohabattein】の男子学生3人組みの1人として出演していました。共演したウダイとは以来プライベートでも親友だそうです。監督としてはアニメの【Roadside Romeo】に続き、今作が2作目となります。
ストーリー
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アメリカのある大学。そこでコンピューターを学ぶアバイ(ウダイ・チョープラ)は冴えない風貌、根暗な性格と、どこからどう見てもオタクそのもの。しかし、アバイの憧れはキャンパスの華アリーシャ(プリヤンカ・チョープラ)。オタクと美女のまさに「ピャール・インポシブル(不可能な恋)」。アバイは酔って池に落ちたアリーシャを助けたりもするが、まったく気が付かれずに終わってしまう。
7年後。フリーのプログラマーになったアバイは画期的なソフトを開発するが、買い取りたいと近づいてきたバルン(ディノ・モレア)に騙し取られてしまう。バルンはシンガポールの会社に売り込んでソフトを発表しようとする。ソフトを取り返せる見込みもないままアバイはその会社に乗り込む。会社の広報として出てきたのはなんとアリーシャ。アリーシャは離婚を経験し、娘を持つシングルマザーとして、その会社で働いていた。そして、ひょんなことから娘の子守として雇われることになったアバイ。再び「ピャール・インポシブル」が始まった。
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とても悪いわけではありませんが、期待したほどでもありませんでした。ストーリーが平凡だからでしょうか。もちろん、「冴えない男と美女の恋」という、庶民に夢を与える(笑)設定自体は何度やってもいいのですが、何度も使われる設定だからこそ、ストーリーがしっかりしていないと平凡になってしまいます。ありがちな、(1) 男はかなわないと分かっていながらも一途に思い続けている(そして後に女がそれを知る)、(2) 恋敵が実はとんでもない悪人、(3) 子供がいる場合には子供を手なずける、これらを全て実行しています。しかし、その割りには「不可能な恋」が進行していく(成就するかどうかは言いません!)過程があまり説得的ではありません。文字通り子供騙しで話を進行させる部分もあったりて、全体的にストーリーが緩い気がしました。
「冴えない男と美女の恋」といえば、同じヤッシュ・フィルムの【Rab Ne Bana Di Jodi】(2008)が思い浮かびます。しかし、あちらは(冴えないスーリーも実はシャールク、というのは別にして)ストーリーは奇策ともいえる展開で、賛否は別にして決して平凡ではありませんてした。また、平凡な男の意地のようなものも見え隠れしていました。いっぽうこちらのアバイはどうにも冴えないままです。
音楽はモダンポップ風ですが、なかなか良かったです。面白いのがタイトルソングの「Pyaar Impossible」。恋は見かけではないと主張するアリーシャと、やっぱり見かけだと言うアバイ。試しにアリーシャに冴えない格好をさせ、それでもパーティで誰かの電話番号をゲットできるかというゲームをするという場面。最初は男声が「Pyaar Impossible」、女声が「It's possible」ですが、最後には逆になります。ゲームの結果は・・・分かりますね。
ストーリーはいま一つながら、俳優さんたちはなかなかでした。ただ、皆がハマリ役すぎて意外性がないのが、平凡さを助長しているかもしれません。
ウダイ・チョープラ (冴えないオタク、アバイ役)
冴えない男の役作りとしてはこれ以上ないほどでしょう。見事に冴えません(笑)。では冴える男が出来るのかというのは別問題ですが。
プリヤンカ・チョープラ (アバイにとっては高嶺の花、アリーシャ役)
明るい美人でキャンパスの人気者、のちにはキャリアウーマン、プリヤンカにははまり役です。特に最初のキャンパスのシーンでは魅力全開でした。イメージ的には(子持ちという点を除き)【Dostana】のネハ役に近いでしょうか。
このアリーシャ役、もしアイシュワリヤだったら「絶対に不可能な恋」で話が成り立たない気がするし(意外と外見を全く気にしない可能性もありますが、それはそれで話が成り立ちません)、カリーナだったら不細工を積極的に嫌いそうな感じがしてしまいます。想像ですが。
ディノ・モレア (ゲスト出演、アバイの恋敵ともなるバルン役)
客観的にはアバイにはどうやっても太刀打ちできないが、心情的には肩入れできない役。なかなかいい配役でした。
アヌパム・ケール
ゲスト出演 アバイの父役
ちょっとの登場でしたが笑えました。子に似せて父を作ったわけで、オタクの父はこうだろうという役です。写真がないのが残念。観てのお楽しみということで。
【Pyaar Impossible】
プリヤンカを眺めていれば満足という人、ウダイの「冴えなさ」を確認したい人、やはりこの設定には夢があると思う人、お勧めです。
by madanaibolly
| 2010-01-11 23:14
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