【Jia Aur Jia】 |
出演:カルキ・ケクラン、リチャー・チャッダー
トレイラー
ストーリー
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偶然にスウェーデンの旅の道連れになったのは名前も偶然に同じジア(リチャー・チャッダー)とジア(カルキ・ケクラン)。一方は生真面目、もう一方は自由奔放と性格はまったく異なる2人のジアだったが、旅を続けるうちに仲良くなっていく。だが、2人にはそれぞれ秘密にしていた本当の旅の目的があった。
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【Margarita with a Straw】(2015)のカルキ・ケクランと【Gangs of Wasseypur】(2012)、【Masaan】(2015)のリチャー・チャッダー。実力ある演技派女優として活躍する2人が共演した作品です。
監督はハワード・ローズマイヤー。名前はヨーロッパ風ですが、デリー生まれのコメディアンで、【Chalte Chalte】(2003)、【Parineeta】(2005)、【Shivaay】(2016)などのコレオグラファーもしています。監督は本作が初めて。
今や海外ロケもロード・ムービーも珍しくないボリウッドですが、女性2人組の旅行者となると非常に珍しいです。そもそもインドでは女性だけの旅行というのが考えられません。だからこそインド女性の一人旅である【Queen】(2014)が観客の目には非常に斬新に映ったわけです。【Jia Aur Jia】は他人同士の女性2人の旅で、【Queen】に負けず劣らず斬新です。さらに旅先がスウェーデンというのも貴重。インド映画のロケはこれまであったのでしょうか。
前半は実力派女優2人による掛け合いを見ているだけでも様になっていました。自由奔放でイケイケのカルキ「ジア」と真面目でそれにイライラするリチャー「ジア」。対照的な性格の2人が旅先でのエピソードを経て打ち解けていく過程もしっかりと描かれています。
それだけに後半のストーリーが平凡なのが惜しかったです。リチャー絡みのエピソードは彼女のキャリアに絡んだものでまだいいですが、カルキのほうは取って付けた感じで、ほかに思いつかなかったのかと感じるほどです。珍しい設定で力のある女優2人を使ってあのオチというのはちょっともったいなさすぎです。
主演の2人の演技はさすが。スウェーデンの風景も美しく、映像的には綺麗でそれだけでも見ていられます。しかし、ストーリー的にはあまり期待しないほうがいいでしょう。
音楽
「Na Shukre」
「Nach Basanti」
「Na Jaa」
リチャー・チャッダー ジア・ヴェンカタラム役
最初から「なぜ自由旅行してるの?」といった役。それはストーリーで明らかにされます。何か様子がおかしなところをリチャーは好演。
カルキ・ケクラン ジア・ガレーワル役
自由旅行の女性役にまったく違和感がないカルキ。本作でも外見は自由奔放でイケイケ(おまけにチェーン・スモーカー)だが実は、という役でカルキには合っているとは思うのですが、「実は」の内容が平凡で、カルキが熱演するとかえって野暮ったくなる感じでした。
スウェーデン・ロケのインド映画、ちょっと調べた限りでは見つかりませんでした。ノルウェーは【Ko】(2011)、【Maattrraan】(2012) などのタミル映画でロケがありました。
カルキ、リチャーの2人とも映画祭系の作品に強く、世界各地の映画祭に出席しています。そしてカルキは「あいち国際女性映画祭」、リチャーは「なら国際映画祭」への出席で来日経験があります。
【Jia Aur Jia】
スウェーデンに行ったことがある人、リチャーとカルキの掛け合いを楽しみたい人、おすすめです。