【Golmaal Returns】 |
出演:アジャイ・デーヴガン、パリニーティ・チョープラー、アルシャド・ワールシー、トゥシャール・カプール、クナール・ケームー、タッブー、シュレーヤス・タルバデー、ニール・ニティン・ムケーシュ
トレイラー
ストーリー
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ゴーパル(アジャイ・デーヴガン)、マーダヴ(アルシャド・ワールスィー)、ラッキー(トゥシャール・カプール)たちはウーティにある孤児院の出身。孤児院を出て25年が経った今でもゴーパルとマーダヴは孤児院での対立を引きずり、なにかと諍いが絶えない。そんなある日、孤児院の創設者ジャムナーダースが亡くなり、ゴーパルたちは葬式に出席するため25年ぶりに孤児院に戻る。
孤児院は25年前とほとんど変わっておらず、かつてゴーパルたちが恐る恐る足を踏み入れた幽霊屋敷も昔と変わらずそこにあった。ゴーパルたちは久しぶりに幽霊屋敷に足を踏み入れ、そこで1人の若い女性(パリニーティ・チョープラー)を見かける。孤児院に昔からいるアンナ(タッブー)は彼女をそこに住んでいる女性だと紹介するが、どこかおかしい。やがてゴーパルたちはその女性の正体とおそるべき事実を知る。
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ヒット・コメディシリーズの4作目。【Dhoom】シリーズ、【Housefull】シリーズなど3作が最多で、【Golamaal】シリーズの4作は新記録かと思っていたら、4作はすでに【Raaz】シリーズがありました。ほかにマラヤーラム映画やカンナダ映画にも探偵物やスパイ物で4作作られたシリーズがあるそうです。シリーズはこれまで、【Golmaal: Fun Unlimited】(2006)、【Golmaal Returns】(2008)、【Golmaal 3】(2012)、【Golmaal Again】(2017)(本作)。タイトルがナンバリングされておらず、ちょっとややこしいです(【Dhoom】シリーズは律儀にナンバリングしています)。
監督はシリーズを1作目から手掛けるほか、【Chennai Express】(2013)、【Dilwale】(2015)なども撮っているローヒト・シェッティー。出演はシリーズの初めから出演しているアジャイ・デーヴガン、アルシャド・ワールスィー、トゥシャール・カプール。2作目から登場のシュレーヤース・タルパデー、3作目から登場のクナール・ケームー。そして、本作が初登場のパリニーティ・チョープラーとタッブー。
シリーズが長続きしていることが納得できる安定の面白さでした。また、シリーズの特徴を上手く残しながらも、マンネリ化しないように新たな要素を取り入れていく工夫も見られました。
作品の基本は大人数キャストによるドタバタ・コメディ。それぞれ個性的なキャラがおバカな言動や行動を繰り広げるわけですが、前の3作目に続き、主要登場人物を2グループに分けて対立させる設定になっています。対立する相手のグループへの悪口や嫌がらせ(イタズラのレベルですが)も本当にくだらないのですが、逆にあまりに子供じみていてつい笑ってしまいます(アルシャドの永遠の悪ガキぶり)。
さらに、主要登場人物の周囲にもコメディ担当の準レギュラーが配置されており、入れ替わり立ち代わり現れてはギャグをかます物量作戦で強引に笑わせる仕掛けになっています。1作目から芸風を変えずに連続出演のヴラジェーシュ・ヒルジーの「コブラ男」などはもうなんの意味があるのかわからないけど、シリーズ恒例というだけで笑ってしまいます。
一方で、前作からは単なるおバカ・コメディにとどまらない、しっかりとしたストーリーが入るようになりました。【Golmaal 3】では、対立する家のせいで実らなかった昔の恋を老カップルが実らせるという話でしたが、本作も幽霊が生前の恨みを晴らすというのがストーリーになっています。さらに、アジャイとパリニーティの恋愛要素もあります。
本作で唯一心配されたがの、2、3作目に連続出演したカリーナー・カプールが抜けることでした。しかし、交代で入ったパリニーティが完全とは言えないまでも、まずまず及第点でした。
【Dhoom】シリーズと並ぶボリウッド最強シリーズの最新作は、とにかくいろいろと、これでもかと詰め込んだ欲張りな豪華娯楽作品です。
音楽
唯一、前作よりも良くなかったのが音楽。前作のプリータムから複数担当制に変えたのが響いたのでしょうか。前作の「Ale」のようなキャッチーな曲がありませんでした。だた、シリーズを通じて使われて続けているタイトルソングは健在で救われました。
「Go Go Golmaal」(タイトルソング)
この曲、めちゃめちゃ金かかってるハズ。
「Maine Tujhko Dekha」
アジャイとパリニーティの「年の差恋愛」をはっきり口にしています。これは意外と珍しい?
「Hum Nahi Sudhrenge」
アジャイ・デーヴガン ゴーパル役
普段は1人での主演が多いですが、本作では上手くマルチ・キャストにも対応していおり、さすがにボリウッドで一番の職人俳優だと改めて思いました。外見はコワモテながら、幽霊が苦手だったり、ずっと年下のパリニーティにデレデレとなってり、コメディも相変わらず上手です。
パリニーティ・チョープラー クシー役
カリーナー・カプールに代わり、マドンナ的存在として初登場のパリニーティ。さすがにカリーナーのように他のメンバーとガンガン渡り合うようなわけにはいきませんでしたが、とても可愛く、さらにストーリー上での重要な役割を果たしていました。シリーズの次作ができるとすると再出演でレギュラー入りするでしょう。
タッブー アンナ役
本作がシリーズ初出演。アジャイ・デーヴガンとは【Drishyam】(2015)と同じ組み合わせ。こちらも上手く抑えてマルチ・キャストに溶け込むベテランの演技。レギュラー入りしてもらいたいところですが、どうなるでしょうか。
このほか、レギュラー陣に加えて、ニール・ニティン・ムケーシュとプラカーシュ・ラージを悪役に使う豪華キャスト。さらに、ナーナー・パーテカルのわけわからんゲスト出演もあります。
ロケはタミル・ナードゥ州の高原避暑地ウーティ(ウータカマンド)。南インドでのロケが珍しいボリウッドで、例外的に昔からロケが行われていた場所です(【Saajan】(1991))。
【Golmaal】シリーズのファンが毎回注目しているのが、恒例のアジャイの「跨ぎ乗り」(タイトルソング参照)。こちらもシリーズが進むごとに進化しています。
【Golmaal】 バイク2台跨ぎ乗り
【Golmaal Returns】 車2台跨ぎ乗り
【Golmaal 3】 車2台片輪上げ跨ぎ乗り(直進)
【Golmaal Again】 車2台跨ぎ乗り(ドリフト走行)
【Golmaal Again】
最長シリーズの安定の面白さを楽しみたい人、新ヒロインのパリニーティを見たい人、大きな悪ガキたちの集いを見たい人、おすすめです。