【Tum Bin 2】 |
出演:ネーハー・シャルマー、アーディティヤ・スィール、アーシム・グラーティ
トレイラー
ストーリー
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スコットランドのグラスゴーに暮らすタラン(ネーハー・シャルマー)とアマル(アーシム・グラーティ)は婚約中。ある日、アマルは2人で出かけた旅行先で、スキー事故で行方不明になる。
愛する人を失った悲しみから立ち直れずにいるタランの前にビジネスを営むという青年シェーカル(アーディティヤ・スィール)が現れる。タランは夢だったスイーツ・ショップを開業するのを手助けしてくれるなど優しく接してくれるシェーカルに癒され、やがてそれは彼への愛に変わっていく。
タランとシェーカルが結ばれたかと思われたとき、アマルが奇跡的に救出され、生きていたという知らせが届く。
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15年前のスマッシュ・ヒット【Tum Bin】(2001)の続編。前作の監督だった【Ra. One】(2011)のアヌバブ・シンハーが本作も監督しています。いくら自分の監督作とはいえ、15年も間をあけて続編を作るのはどういう感じなのでしょうか。
前作【Tum Bin】はプリヤンシュ・チャタルジー(最近では名前だけではわからない人多い?)でしたが、本作ではキャストは前作からすべて入れ替わっています。とはいえ、主役で知名度があるのは【Youngistaan】(2014)などに出演のネーハー・シャルマーくらい。
前作がヒットしたのは、大ヒット曲となった故ジャグジート・シンのガザル「Teri Fariyaad」など音楽のためだとされています。制作は音楽会社「Tシリーズ」なので、本作では「Teri Fariyaad」を再録したほか、アリ―ジート・シン、アンキト・ティワーリーなどエース・シンガーを揃えています。
ストーリーは典型的な「元パートナーの帰還による三角関係」。行方不明になった恋人や夫を諦めて女性主人公が新たな恋に踏み出したところに元恋人や元夫が帰って来るというもの。原因は海難事故だったり戦争への出征といろいろですが基本的なパターンは同じです。【Tum Bin 2】はスキー事故による行方不明で、奇跡的に発見され救出されたものの、昏睡状態だったために生存が知られるのが遅くなってという設定です。
そんなありきたりな設定でも、個々の人物描写が優れているとか俳優の演技が素晴らしいとかであればいいのでしょうが、展開されるのはベタベタなメロドラマ。そして売りであるはずの音楽もそんなベタベタさを増す役割しかありません。さらに、露光過多の「明るい」映像もかえって鼻につきます。
脚本や演出も良くないので一概に彼らのせいとは言えませんが、俳優たちの演技も冴えません。最近の「Tシリーズ」制作の作品には、映画を長めのミュージック・ビデオだと考えているとしか思えないような作品があります。内容やキャストが大したことなくても、音楽と音楽を用いた宣伝で盛り上げればいいというのが露骨に見えてしまいます。【Tum Bin 2】はまさにそんな作品でした。
そもそも15年も前の作品を持ち出して続編を作ろうというのは【Aashiqui 2】(2013)の二匹目のドジョウ狙い。その結果は安易で平凡な作品に終わりました。
音楽
制作が音楽ブランド「Tシリーズ」だけあって、一流歌手を揃えて音楽に力を入れているのはわかりますが、結局再録のジャグジート・シン「Teri Fariyad」以外は印象に残る曲がありません。
「Teri Fariyad」
ガザルの名歌手ジャグジート・シンは2011年に亡くなっています。
「Ishq Mubarak」
「Masta」
ネーハー・シャルマー タラン役
三角関係の頂点にいる女性の役で、とにかく全編が彼女中心に作られているにもかかわらず影が薄いネーハー。やはり力の限界なのかとも思ってしまいました。顔などは好きな女優なので、頑張ってもらいたいのですが。
男優2人(アーディティヤ・スィール、アーシム・グラーティ)についてはそれぞれ次があったら、そのときに書きます。とりあえず写真だけ
アーディティヤ・スィール(左)とアーシム・グラーティ(右)
主人公タランの姉役は「どこかで見た」となかなか思い出せませんでしたが、【Bajrangi Bhaijaan】(2015)でシャーヒダのお母さんだったメーハル・ヴィジュ。だいぶ感じが違うので気が付きませんでした。
【Tum Bin 2】
インド映画イン・スコットランドを見たい人、ジャグジート・シンをバックにメロドラマに浸りたい人、シャーヒダのママの変貌ぶりが見たい人、おすすめです。