【ABCD - Any Body Can Dance 2】 |
監督:レモ・デスーザ Remo D’Souza
出演:ヴァルン・ダワン、シュラッダー・カプール、プラブーデーヴァ、ローレン・ゴットリープ、ラーガヴ・ジュヤール、プニート・パータク、ティスカー・チョープラー(特別出演)
トレイラー
ストーリー
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スレーシュ(ヴァルン・ダワン)はダンサーだった母の意志を継ぎ、ダンサーの道を歩むことを決意する。スレーシュがヴィニー(シュラッダー・カプール)らと作ったダンス・チームはテレビのダンス・コンテスト番組に出演するが、彼らのダンスは他のダンサーの模倣だとして失格にされてしまう。何百万人の視聴者の前で不正を指摘されたスレーシュたちは、その後どこにいてもインチキとの後ろ指をさされる。
汚名返上を図るスレーシュはラスベガスで行われるダンス大会で優勝を目指すことにする。再びヴィニーたちも加わってチームはできたものの、彼らには優れたコレオグラファーが必要だった。そんなとき、スレーシュは働く酒場でヴィシュヌ(プラブーデーヴァ)と出会う。最初は嫌がるヴィシュヌだったが、とうとうスレーシュたちを指導することに同意する。さらにヴィシュヌの名を聞いて参加してくるダンサーもいた。
いったんは負け犬の烙印を押されたスレーシュたちの新たな挑戦が始まった。まずはバンガロールで開かれるインド予選大会に出場するが・・・
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テレビのダンス番組で活躍するダンサーたちが出演してスマッシュ・ヒットとなった【ABCD - Any Body Can Dance】(2013)の続編。前作の出演者はほとんどが本作にも出演しますが、本作にはヴァルン・ダワン、シュラッダー・カプールと、すでに名のある俳優が出演してパワーアップしてきました。
監督は前作と同じコレオグラファーのレモ・デスーザ。そして、ダンサー、コレオグラファー、俳優、監督などマルチな活躍をする才人プラブーデーヴァが重要な役割を果たしているのも前作と同じです。
前作は、ムンバイの下町出身者からなるダンス・チームがエリート・ダンス・スクールのチームに戦いを挑むという内容で、種目がダンスのスポ根ものでした。ストーリーは、最初はダンスをすることすらままならない人生の負け犬チームが根性の特訓で成長し、最後はエリートを打ち負かすというもので、おそらくその単純明快さと、本格派のダンスがヒットにつながったと思われます。
本作は作品の舞台が一気に広がり、アメリカに行って国際ダンス大会に出場しますが、シリーズの根幹に変化はありません。並み居る強豪国を「負け犬」インド・チームが立ち向かうというスポ根もののストーリーです。元々さほどストーリー性が期待されている作品ではないため、いちおう話が進んでいくというだけで十分です。
そして、ダンス・シーンはさすがでした。オーディションなどでのソロ、デュオのダンスからダンス大会での群舞までバラエティに富んでいます。コレオや衣装も凝っていて、ダンスはダンサーの力量だけではなく、さまざまな要素から成り立つ総合的なものだと感じさせてくれます。前作に比べるとストーリー中でも衣装などが洗練されて、ストリート・ダンスの要素が少し減った気はします。
作品を観る前に心配していたことのひとつは、ダンサーばかりで固めたキャストに俳優のヴァルンとシュラッダーが加わることで、作品のバランスが崩れてしまうのではないかとういことでした。しかし、それはまったくの杞憂に終わりました。ヴァルンもシュラッダーも回りのダンサーたちに負けないくらい踊れていました。
期待にお釣りが来ることはありませんが、決して期待を裏切らない作品です。
音楽
「Bezubaan Phir Se」
前作「Bezubaan」と同曲で、シリーズのテーマ曲になっています。
「Sun Sathiya」
シュラッダーのソロから、ヴァルンとのペアに移るダンス曲。
「Vande Mataram」
前作と同様、インド要素の強い曲を組み入れてます。
ヴァルン・ダワン スレーシュ役
デビューの【Student of the Year】(2012)でもダンスはさすがに鍛えられていましたが、数作後にダンス映画で主役を張るとは思いませんでした。ダンスも肉体もさらにパワーアップしています。デビュー以降、【Main Tera Hero】(2014)、【Humpty Sharma Ki Dulhaia】(2014)がラブストーリー、【Badlapur】(2015)がシリアスと非常にバランスの良い出演で、いずれもきっちりこなしているところに俳優としての器用さがうかがえます。
シュラッダー・カプール ヴィニー役
【ABCD2】の収穫はシュラッダー、といっていいくらい頑張っていました。そもそもシュラッダーには踊れるというイメージがまったくありませんでした。これまでダンス曲はほとんどなかったし、アイテム出演した【Ungli】(2014)の「Dance Basanti」も大した振付の曲ではありませんでした。ところが本作では踊れてました。それも今後、踊りが武器になるくらい。頑張りました。
プラブーデーヴァ ヴィシュヌ役
本作ではヴィシュヌの「個人的事情」に絡むストーリーなども入りますが、やはりこの人はダンス。例によってたった一曲だけですが、がっちりと魅せてくれます。
ローレン・ゴットリープ オリーブ役
前作と違い本作ではヒロインの座はシュラッダーに持っていかれてしまいましたが、本業のダンスは本物。今年は【Detective Byomkesh Bakshy!】(2015)の「Calcatta Kiss」でのダンス、【Welcome to Karachi】(2015)には女優として出演と活躍が続いています。
個人的には国際ダンス大会に日本チームが出場していなくて一安心でした。
【ABCD - Any Body Can Dance 2】
ボリウッド・ダンスが好きな人、スポ根ものが大丈夫な人、歌って踊れるスターになったシュラッダーを見たい人、おすすめです。